恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
始まりの予感
「橋爪さん、次の会議の書類は?」
「こちらになります」
「時間に変更は?」
「ございません」
初日に見せた恋人役なんて軽口が嘘のように、今の副社長は仕事一筋だった。
この一週間で、その実力をまざまざと見せつけられている。的確な指示、無駄のない動き、そして経営者としての卓越した管理能力。
そのどれもが隙のない完成度で、私はただ必死にくらいついていくことしかできない。これまでも秘書課の仕事に遣り甲斐を感じていたはずなのに、今はそのレベルの違いを痛感している。
そんな緊張感に満ちた日々の中でも、副社長と共に社内を歩けば大騒ぎだ。嫉妬や好奇の視線が一斉に私へと向けられるが、不思議と気にはならない。
今はただ、副社長秘書というこの立場を守ることに必死だから。
仕事が楽しくて仕方がない――恋をするつもりはないし、恋人役なんて御免だ。それでも、副社長に対する尊敬の念は、確実に胸の内に芽生え始めている。
「こちらになります」
「時間に変更は?」
「ございません」
初日に見せた恋人役なんて軽口が嘘のように、今の副社長は仕事一筋だった。
この一週間で、その実力をまざまざと見せつけられている。的確な指示、無駄のない動き、そして経営者としての卓越した管理能力。
そのどれもが隙のない完成度で、私はただ必死にくらいついていくことしかできない。これまでも秘書課の仕事に遣り甲斐を感じていたはずなのに、今はそのレベルの違いを痛感している。
そんな緊張感に満ちた日々の中でも、副社長と共に社内を歩けば大騒ぎだ。嫉妬や好奇の視線が一斉に私へと向けられるが、不思議と気にはならない。
今はただ、副社長秘書というこの立場を守ることに必死だから。
仕事が楽しくて仕方がない――恋をするつもりはないし、恋人役なんて御免だ。それでも、副社長に対する尊敬の念は、確実に胸の内に芽生え始めている。