恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 人目が気になり、私たちは会場の端へとそっと移動した。

「みのり、君はどんな姿でも美しいよ」

「なっ! なにを言ってるんですか⁉」

 真剣な眼差しでまっすぐ見つめられ、とても冗談だと笑って受け流せる雰囲気ではない。

「本気だ。最初は軽い気持ちで恋人役を頼もうと思っていた。でも、初めて出会ったあの日——俺は、みのりに恋をした」

「えっと……そのっ……」

 恋愛経験のない私には、こんなシチュエーションは初めてで、どう返事をすればいいのかまったくわからなかった。

「みのりにトラウマを植えつけた元カレのことは、もう片づけた。だから、そろそろ俺と一歩踏み出してみないか?」

 尊敬する人から、ここまで真っ直ぐな想いを伝えられて、嬉しくないはずがない。

 私が最初に出会った男性が悪かっただけ。本当はもう、自分の気持ちにも気づいている。それでも怖くて、見て見ぬふりをしていただけなのだ。

「私は恋愛初心者ですし、それに、ただの秘書で……」

「ああ、それで?」

「それでって……その……要さんとは釣り合いが取れないといいますか……」


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