恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
『ブラウン氏の命の恩人のお二人ですよね!?』

 鋭く投げかけられたその一言を合図にしたかのように、大勢の報道陣が一斉に私たちへ押し寄せてきた。

『命の恩人なんて大袈裟です。失礼します』

 要さんは冷静にそう答えると、私を庇うようにそっと肩を引き寄せ、そのまま空港の中へ入ろうとする。

 しかし、報道陣はそう簡単には引き下がらなかった。無数のシャッター音が絶え間なく鳴り響き、私たちを追いかけるように次々と質問が飛んでくる。

『今日の新聞はご覧になっていないんですか!?』

『TOKITOグループの御曹司! 一言お願いします!』

『ブラウン氏を救った経緯を教えてください!』

 矢継ぎ早に浴びせられる質問に、私の頭の中は一瞬で真っ白になってしまう。

『時任様! こちらへ!』

 その時だった。聞き覚えのある声が私たちを呼び、手招きしている。視線を向けると、そこに立っていたのは、ブラウン家の執事の男性だった。


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