恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 私たちは状況がまったく理解できず、促されるまま素直にあとを追う。案内された先は、空港内とは思えないほど豪華な空間だった。

『昨日はありがとうございました』

『お礼はもう十分に伺いました。それよりも、どうしてこんなことになっているんですか?』

 まさか報道陣が押し寄せるほどの大騒ぎになっているとは、夢にも思わなかった。ホテルを出る時に多少の視線は感じていたものの、ここまでの騒ぎになっているとは思わず、驚きを隠せない。

『非常に申し上げにくいのですが、招待客の中に報道関係者もおりまして……』

『でも、あの場で終わったことでは?』

 パーティー会場で起こった出来事が、ここまで大きく取り上げられるなんて、どうにも腑に落ちなかった。

『どうやら、お二人のあとをホテルまで追ったようで、時任様が橋爪様をその——』

『えっ……?』

 私はパーティー会場を出て車に乗り込んだところまでしか記憶がなく、その先の出来事はすっかり途切れている。


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