恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
『あまりにも絵になると話題になったようで……』

 執事が新聞を差し出してくれた。そこには、要さんにお姫様抱っこをされた私の姿が、大きく紙面を飾っている。

『……』

 驚きのあまり声も出ない私とは対照的に、隣からは呑気な声が聞こえてきた。

『これはまた、いい写真だな』

『要さん!』

『どうせ消せないんだし、諦めるしかないだろう?』

 今の時代、新聞だけで話が終わるとは思えない。ハッとなってスマホを取り出すと、もの凄い数のメッセージが届いていた。

『要さん、どうするんですか?』

『これで大手を振って恋人同士だって宣言できると思えば、一石二鳥だ』

『できれば秘密にしたかった……』

 私の本音は、誰にも届くことなく部屋の中で虚しく響き、そのまま消えていく。

『それで? わざわざ空港まで来ていただいたのは、何かご用があったんですか?』

 確かに、報道陣への対応だけのために、わざわざ空港まで来たとは思えなかった。

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