恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「その判断に間違いはない。現に、俺の容姿に群がってくる女共とは違った」
時任の御曹司という肩書き、そしてこの容姿――そのどちらも、嫌でも女を引き寄せる。嫌味に聞こえるかもしれないが、俺にとってはどちらにも大した価値はなかった。御曹司だからといって簡単に会社を継げるほど、甘い世界じゃない。
しばらくは仕事に集中したかったし、女に振り回されるのも御免だった。だからこそ、真面目でいかにも俺に興味がなさそうな彼女――みのりを恋人役に任命した。
ところが、メガネを外した彼女の素顔を見た瞬間――俺は、落ちたのだ。
『恋はするものじゃない、落ちるものだ』
そんな持論を昔から抱いていたくせに、これまで本当に誰かに落ちたことなんて一度もない。むしろ、俺に相応しい女など存在しないと、どこか傲慢にさえ思っていた。
ぱっちりとした二重に、澄み切った瞳。真っ直ぐにこちらを見つめるその目力は、理屈を超えて俺の胸の奥に眠っていた男を容赦なく叩き起こした。
心臓が壊れそうなくらい、激しく脈打つ。こんな感覚、生まれて初めてだった。
それでも必死に平静を装いながら、俺は冗談めかして口を開く。
「恋人役が嫌なら……恋人候補にしてやろうか?」
時任の御曹司という肩書き、そしてこの容姿――そのどちらも、嫌でも女を引き寄せる。嫌味に聞こえるかもしれないが、俺にとってはどちらにも大した価値はなかった。御曹司だからといって簡単に会社を継げるほど、甘い世界じゃない。
しばらくは仕事に集中したかったし、女に振り回されるのも御免だった。だからこそ、真面目でいかにも俺に興味がなさそうな彼女――みのりを恋人役に任命した。
ところが、メガネを外した彼女の素顔を見た瞬間――俺は、落ちたのだ。
『恋はするものじゃない、落ちるものだ』
そんな持論を昔から抱いていたくせに、これまで本当に誰かに落ちたことなんて一度もない。むしろ、俺に相応しい女など存在しないと、どこか傲慢にさえ思っていた。
ぱっちりとした二重に、澄み切った瞳。真っ直ぐにこちらを見つめるその目力は、理屈を超えて俺の胸の奥に眠っていた男を容赦なく叩き起こした。
心臓が壊れそうなくらい、激しく脈打つ。こんな感覚、生まれて初めてだった。
それでも必死に平静を装いながら、俺は冗談めかして口を開く。
「恋人役が嫌なら……恋人候補にしてやろうか?」