恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「なっ……⁉」
信じられない発言に、思わず息を呑んだ。
こんな大勢の前で、冗談でもそんなことをされては、取り返しのつかないことになる。社内の全女性社員を敵に回すことは、火を見るよりも明らかだった。
草薙をはじめとした秘書課のメンバーに加え、突然現れた麗美の存在。周囲からは鋭い視線が、突き刺さるように向けられている。
「それが嫌なら、大人しくついて来ることだな」
「……はい」
周囲に聞こえないよう囁かれたその言葉に、私には『はい』以外の選択肢はなかった――
「橋爪さん、確認したいことが残っていますので、戻ってもらえますか?」
「はい」
さすが副社長と言うべきか。周囲に怪しまれないよう、さも業務の一環であるかのように口調を切り替えている。羨望の眼差しと、麗美からの憎悪の視線を背中にひしひしと感じながら、私は副社長の後ろを付いて行くしかなかった。
「えっ……?」
到着したエレベーターに再び乗り込むと、上昇――ではなく、ゆっくりと下降していく。
地階は役職者と社用車の駐車場だ。役員の送迎車はエントランスへ回されるので、私は初めて駐車場へ足を踏み入れる。
信じられない発言に、思わず息を呑んだ。
こんな大勢の前で、冗談でもそんなことをされては、取り返しのつかないことになる。社内の全女性社員を敵に回すことは、火を見るよりも明らかだった。
草薙をはじめとした秘書課のメンバーに加え、突然現れた麗美の存在。周囲からは鋭い視線が、突き刺さるように向けられている。
「それが嫌なら、大人しくついて来ることだな」
「……はい」
周囲に聞こえないよう囁かれたその言葉に、私には『はい』以外の選択肢はなかった――
「橋爪さん、確認したいことが残っていますので、戻ってもらえますか?」
「はい」
さすが副社長と言うべきか。周囲に怪しまれないよう、さも業務の一環であるかのように口調を切り替えている。羨望の眼差しと、麗美からの憎悪の視線を背中にひしひしと感じながら、私は副社長の後ろを付いて行くしかなかった。
「えっ……?」
到着したエレベーターに再び乗り込むと、上昇――ではなく、ゆっくりと下降していく。
地階は役職者と社用車の駐車場だ。役員の送迎車はエントランスへ回されるので、私は初めて駐車場へ足を踏み入れる。