恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
予想外すぎる言葉に、思わず大きな声が出てしまった。静まり返ったフロアに、私の叫び声だけが見事なほど響き渡る。
そんな、まったく安心できない言葉が返ってきた。つい先ほどプライベートな話をしたとはいえ、私たちの関係はあくまでも上司と部下だ。
むしろ、その言葉を聞いたことで一気に警戒心が強くなる。
「冗談だ。タクシーで送って行くから」
あまりにもわかりやすい私の反応に、要さんは苦笑いを浮かべていた。けれど、それは要さんのせいでもある。
冗談とはいえ恋人役を提案されたことだってあったし、こうして時々距離感がおかしくなるのだから警戒して当然だ。
私は今の秘書の仕事が好きだし、できることなら長く続けていきたい。そのためにも余計なトラブルは避けて、平和に過ごしたいのだ。
「では……少しだけ……」
結局、私はそう答えてしまう。
この時の私は、まさかこの判断が自分の首を締めることになるなんて、想像もしていなかった。
まさか、二度と会いたくないと思っていた相手に遭遇することになるなんて――
そして、よりにもよって私たちが一緒にいるところを会社の人間に目撃されることになるなんて――
この時の私は知る由もない――自分の運のなさを心の底から嘆くことになるのだから。
そんな、まったく安心できない言葉が返ってきた。つい先ほどプライベートな話をしたとはいえ、私たちの関係はあくまでも上司と部下だ。
むしろ、その言葉を聞いたことで一気に警戒心が強くなる。
「冗談だ。タクシーで送って行くから」
あまりにもわかりやすい私の反応に、要さんは苦笑いを浮かべていた。けれど、それは要さんのせいでもある。
冗談とはいえ恋人役を提案されたことだってあったし、こうして時々距離感がおかしくなるのだから警戒して当然だ。
私は今の秘書の仕事が好きだし、できることなら長く続けていきたい。そのためにも余計なトラブルは避けて、平和に過ごしたいのだ。
「では……少しだけ……」
結局、私はそう答えてしまう。
この時の私は、まさかこの判断が自分の首を締めることになるなんて、想像もしていなかった。
まさか、二度と会いたくないと思っていた相手に遭遇することになるなんて――
そして、よりにもよって私たちが一緒にいるところを会社の人間に目撃されることになるなんて――
この時の私は知る由もない――自分の運のなさを心の底から嘆くことになるのだから。