恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 隣の彼女がそんな失礼な発言をすると、さらに私を指差している。

「あ〜、まあな……若気の至りってやつだな」

「何それ〜」

 二人は顔を見合わせ、私をバカにするように笑っていた。そんな彼女は化粧が濃く、素顔がどんな顔なのかもよくわからない。私は心の中で、ある意味お似合いな二人だと思いながら、冷静な態度を崩さずにいた。

 過去の自分は、どうしてこんな男に惹かれていたのだろう――今はそちらの方が気になっている。

 確かにあの頃の彼は、学校でもモテモテで、誰よりも輝いて見えた。でも今の彼は、イケメンの部類であることに変わりはないものの、身なりや格好が派手なだけで品がない。隣にいる今の彼女とお似合いで、私は自分の青春を踏みにじられたような気分になった。

「それより、お前みたいなダサい女が、こんな高級ホテルに何の用だ?」

 時間が経っても、その性格の悪さはまったく変わっていない。こんな失礼な男の言葉に、わざわざ答えてやる義理などないだろう。私はもう用はないとばかりに視線を前へ戻し、カクテルを口に含んだ。

「おい!」

 そんな私の態度が気に食わなかったのか、彼はいきなり私の肩を掴んだ。
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