恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
***
みのりをマンションまで送り届け、タクシーは俺の家へ向かっている。静かな車内で、俺は先ほど会った元カレとやらのことを思い返していた。
『もう恋はしない』とみのりに言わせた原因を作った男――
せっかく理由を聞き出せたというのに、まさかこのタイミングで再会するなんて――しかも、TOKITOグループに勤めているとは。嫌な予感しかしない。
あの男について、少し調べる必要がありそうだ。TOKITOシステム所属で、みのりと同い年。名前は貴明。
これだけの情報があれば、優秀な隅田ならすぐに人物を特定してくれるだろう。用心するに越したことはない。
そして、もう一人の要注意人物の存在を思い出した。
隅田の邪魔が入ったせいで、一瞬の隙を突いてみのりに逃げられてしまう。
あとを追いかけた俺の前に、甲高い声を上げながら駆け寄ってきた女――
「きゃあ、要様! もしかして私を探していたんですか⁉ 嬉しい!」
どこをどう勘違いしたら、そんな思考回路になるのやら……女は当然のように俺の腕へ絡みついてきた。
反射的に振り払ったものの、正直、顔すらまともに覚えていない。
みのりをマンションまで送り届け、タクシーは俺の家へ向かっている。静かな車内で、俺は先ほど会った元カレとやらのことを思い返していた。
『もう恋はしない』とみのりに言わせた原因を作った男――
せっかく理由を聞き出せたというのに、まさかこのタイミングで再会するなんて――しかも、TOKITOグループに勤めているとは。嫌な予感しかしない。
あの男について、少し調べる必要がありそうだ。TOKITOシステム所属で、みのりと同い年。名前は貴明。
これだけの情報があれば、優秀な隅田ならすぐに人物を特定してくれるだろう。用心するに越したことはない。
そして、もう一人の要注意人物の存在を思い出した。
隅田の邪魔が入ったせいで、一瞬の隙を突いてみのりに逃げられてしまう。
あとを追いかけた俺の前に、甲高い声を上げながら駆け寄ってきた女――
「きゃあ、要様! もしかして私を探していたんですか⁉ 嬉しい!」
どこをどう勘違いしたら、そんな思考回路になるのやら……女は当然のように俺の腕へ絡みついてきた。
反射的に振り払ったものの、正直、顔すらまともに覚えていない。