恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
――トゥルルルル……

「はい」

 目を閉じて彼女のことを考えていると、スマホが着信を告げる。画面を確認すると、まさにタイムリーな人物からだった。

『先ほどの件ですが……』

「ああ」

 厄介な連絡が入ったため、事前に隅田へメールを送っていたのだ。

『以上です……』

 隅田から調査結果についての細かな報告が告げられる。

「近いうちに、一度現地へ行った方がよさそうだな」

『そうですね』

 今は海外とのやり取りもオンラインでスムーズに行える時代だ。それなのに、今回は実際に現地へ足を運ばなければ解決できない。

「わかった。あと、頼みがあるんだが――」

 俺は隅田に、あの男の情報収集と、エントランスで遭遇した女のことを調べてほしいと告げた。

『はぁ……それは個人的な依頼だよな?』

「男のことは個人的な案件だが、女の方は社内の要注意人物かもしれない。やけに馴れ馴れしいのが気になる」

 俺の頼みを聞いた途端、隅田の口調が仕事モードからプライベートモードへと切り替わる。

 多少の私情が混じっていることは否定できない。だが、それを差し引いても、あの女の行動には妙な違和感があった。

 みのりの敵は、俺の敵だ。容赦するつもりはない――

***
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