恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「それで? 草薙さんは何を仰りたいのですか?」
「えっ……?」
まさか室長からそんな返しが来るとは思っていなかったのだろう。草薙さんは目を瞬かせ、完全に戸惑った表情を浮かべていた。
「あの日は私も含めて食事に行く予定でした。しかし急用ができて参加できなくなった——その結果、副社長と橋爪さんの二人になっただけです。事情も知らず、本当の理由を調べもせずに人を責めるなんて、社会人としていかがなものでしょうね……?」
(えっ、本当に親睦会だったの?)
私が思わず戸惑っている隣で、室長は終始穏やかな笑みを浮かべている。けれど、その柔らかな物腰とは裏腹に、有無を言わせない圧がじわじわと滲み出ていて、草薙に返答を迫っていた。
「す、すみません……でした」
社内の噂の出所まではわからない。けれど、少なくとも草薙がその噂を完全に信じ込んでいたことだけは間違いなさそうだった。
「橋爪さん」
「は、はい!」
突然名前を呼ばれ、反射的に背筋が伸びる。
「一応、謝っておられますので、許して差し上げてください。もうこれ以上、この話題に触れることはないと思いますので」
穏やかな口調ではあるものの、その言葉にはきっぱりとした終止符が打たれていた。
これ以上の追及も反論も許さない——そう告げるかのように、室長はこの話題を打ち切る。
「えっ……?」
まさか室長からそんな返しが来るとは思っていなかったのだろう。草薙さんは目を瞬かせ、完全に戸惑った表情を浮かべていた。
「あの日は私も含めて食事に行く予定でした。しかし急用ができて参加できなくなった——その結果、副社長と橋爪さんの二人になっただけです。事情も知らず、本当の理由を調べもせずに人を責めるなんて、社会人としていかがなものでしょうね……?」
(えっ、本当に親睦会だったの?)
私が思わず戸惑っている隣で、室長は終始穏やかな笑みを浮かべている。けれど、その柔らかな物腰とは裏腹に、有無を言わせない圧がじわじわと滲み出ていて、草薙に返答を迫っていた。
「す、すみません……でした」
社内の噂の出所まではわからない。けれど、少なくとも草薙がその噂を完全に信じ込んでいたことだけは間違いなさそうだった。
「橋爪さん」
「は、はい!」
突然名前を呼ばれ、反射的に背筋が伸びる。
「一応、謝っておられますので、許して差し上げてください。もうこれ以上、この話題に触れることはないと思いますので」
穏やかな口調ではあるものの、その言葉にはきっぱりとした終止符が打たれていた。
これ以上の追及も反論も許さない——そう告げるかのように、室長はこの話題を打ち切る。