恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 秘書課にいるだけでも十分に目立つのに、噂の副社長秘書となれば、羨望を超えて嫉妬の的になることは、容易に想像できた。

 神経をすり減らす日々が増えることは、もはや避けられそうにない。

 みのりがここまで目立つことを避け続けてきたのには、高校時代のあの苦い経験がある。それに加えて、ハーフと間違われるほど整った顔立ちは、これまでの人生で絶えず嫉妬を招いてきた。

 羨ましがられる一方で、私にとっては嫌な思い出ばかりが積み重なり、そのせいで警戒心は人一倍強くなっている。ただそこにいるだけで媚びを売っていると噂され、色目を使っていると決めつけられた。今のこのメガネスタイルになって、やっと平穏な日々が送れている。

 その築き上げてきた平穏な日常が、今まさに崩れそうな予感がしていた――
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