恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 集中していた私は、不意に響いた音に驚きそちらへ視線を向ける。

「橋爪さん」

「は、はい」

「お客様をお迎えに行ってきますので、副社長に応接室へ移動するようお伝えしてください。それと、ドリンクを四つお願いします」

 時計に目をやると、十一時まであと十分ほどに迫っている。ドリンクの数から考えても、副社長とお客様三名がいらっしゃるようだ。

——コンコンッ

「はい」

「失礼いたします。副社長、間もなくお時間になりますので、応接室へのご移動をお願いいたします。私はドリンクの準備をいたします」

「ああ。ゆっくりでいいぞ」

「えっ……?」

 急遽お客様がいらっしゃるというのに、ゆっくりでいいとはどういう意味なのだろうか。先ほどの室長の表情といい、疑問ばかりが募っていく。

 首を傾げながらもドリンクを準備し、応接室へ向かった。

——コンコンッ

「はい。どうぞ」

 応接室の中から室長の声が聞こえ、私はゆっくりと扉を開く。ソファには三人の男性が腰掛けていた。

 そのうちの一人は——
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