恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
早速、副社長室を出ようとしている要さんのあとを追う。ただの視察なのか、それとも他に何か目的があるのか、私にはわからない。
できるだけ視線を下へ向け、周囲から突き刺さるような視線を避けながら歩く。
「ふ、ふ、副社長! どうされたんですか?」
何の予告もなく現れた要さんに、フロアは驚きで騒然となった。
「ただの視察だ」
「ええっ? そのような予定は……」
副社長に対して面と向かって『困ります』とは言えないのだろう。だが、その戸惑いを含んだ口調は、まさに『困ります』と言っているようだった。
実際、大勢の社員たちが不自然なほど一斉に動き出している。
「いつも通りで構わないから、仕事を続けてくれ」
「は、はあ……」
――そんな訳にはいかない。このフロアにいる人たちの心の声が、私には手に取るように伝わってきた。
そんな中でも女性社員たちは、ちらちらと要さんへ視線を向けている。遠い存在だった副社長が、突然目の前に現れたのだ。見惚れてしまうのも無理はない。
できるだけ視線を下へ向け、周囲から突き刺さるような視線を避けながら歩く。
「ふ、ふ、副社長! どうされたんですか?」
何の予告もなく現れた要さんに、フロアは驚きで騒然となった。
「ただの視察だ」
「ええっ? そのような予定は……」
副社長に対して面と向かって『困ります』とは言えないのだろう。だが、その戸惑いを含んだ口調は、まさに『困ります』と言っているようだった。
実際、大勢の社員たちが不自然なほど一斉に動き出している。
「いつも通りで構わないから、仕事を続けてくれ」
「は、はあ……」
――そんな訳にはいかない。このフロアにいる人たちの心の声が、私には手に取るように伝わってきた。
そんな中でも女性社員たちは、ちらちらと要さんへ視線を向けている。遠い存在だった副社長が、突然目の前に現れたのだ。見惚れてしまうのも無理はない。