恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「お待たせいたしました。田中もぜひお会いしたいと申しております。こちらの予定は――」
田中社長が快諾してくれたことで、面会の場が設けられることになった。
麗美とその父親。そして要さんと私――複雑に絡み合った人間関係が、動き出そうとしている。
彼女から目の敵にされている私としては、この問題が解決へ向かってくれるのなら、これほど嬉しいことはない。同じ部署の人たちも、表には出さなくても少なからず不満を抱えているはずだ。
この機会にすべてが良い方向へ進んでくれればいい。
そんな願いを胸に、私は要さんへ日程調整の結果を伝え、当日を待つことになった。
訪問当日――
私は朝から落ち着かなかった。もしかしたら、麗美の父親も同席するかもしれない。そう考えるだけで胃のあたりが重くなる。
今日は役員用の社用車で向かうことになっていて、運転は専属の運転手が担当していた。
私は当然のように助手席へ向かおうとしたのだが、なぜか要さんに呼び止められ、そのまま後部座席へ案内される。
結局、要さんと並んで座ることになり、私はどこか居心地の悪さを感じながらシートベルトを締めた。
手土産も用意したし、事前の準備に抜かりはない。
あとは田中社長が常識的な人物であることを願うだけだ。窓の外を流れる景色を眺めているうちに、車は目的地へと近づいていく。
やがて役員用の社用車は減速し、ゆっくりと『日本モーター精機株式会社』本社ビルの正面玄関前へと滑り込むように停車した。
ビルを見上げながら、私は小さく息を吐く。今日の面会が、この厄介な問題を終わらせるきっかけになってくれればいいのだけれど――
田中社長が快諾してくれたことで、面会の場が設けられることになった。
麗美とその父親。そして要さんと私――複雑に絡み合った人間関係が、動き出そうとしている。
彼女から目の敵にされている私としては、この問題が解決へ向かってくれるのなら、これほど嬉しいことはない。同じ部署の人たちも、表には出さなくても少なからず不満を抱えているはずだ。
この機会にすべてが良い方向へ進んでくれればいい。
そんな願いを胸に、私は要さんへ日程調整の結果を伝え、当日を待つことになった。
訪問当日――
私は朝から落ち着かなかった。もしかしたら、麗美の父親も同席するかもしれない。そう考えるだけで胃のあたりが重くなる。
今日は役員用の社用車で向かうことになっていて、運転は専属の運転手が担当していた。
私は当然のように助手席へ向かおうとしたのだが、なぜか要さんに呼び止められ、そのまま後部座席へ案内される。
結局、要さんと並んで座ることになり、私はどこか居心地の悪さを感じながらシートベルトを締めた。
手土産も用意したし、事前の準備に抜かりはない。
あとは田中社長が常識的な人物であることを願うだけだ。窓の外を流れる景色を眺めているうちに、車は目的地へと近づいていく。
やがて役員用の社用車は減速し、ゆっくりと『日本モーター精機株式会社』本社ビルの正面玄関前へと滑り込むように停車した。
ビルを見上げながら、私は小さく息を吐く。今日の面会が、この厄介な問題を終わらせるきっかけになってくれればいいのだけれど――