恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
その内容は、私も知らされていなかった。娘のコネ入社だけではなく、他にも不正を働いていたなんて……
——ガタンッ
「要くん。いや、時任副社長。この度はうちの社員が大変ご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません」
我に返った社長は、焦ったように立ち上がると、目の前のテーブルに足をぶつけながら深々と頭を下げた。
「頭を上げてください。田中社長はご存じなかったのですから」
「うちの社員がしでかしたことだ。知らなかったでは済まされない……」
社長は眉間に深いシワを寄せ、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。相手が常識のある社長で本当に良かったと、私は密かに胸をなで下ろした。
「うちとしては、高橋専務の娘には自主退職していただきたいと考えています」
「ああ……」
「御社の方では、どのように対応されますか? 証拠資料はこちらでお渡しできますが」
要さんが手を差し出したので、私は会社を出る前に預かっていた封筒を鞄の中から取り出した。
——ガタンッ
「要くん。いや、時任副社長。この度はうちの社員が大変ご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません」
我に返った社長は、焦ったように立ち上がると、目の前のテーブルに足をぶつけながら深々と頭を下げた。
「頭を上げてください。田中社長はご存じなかったのですから」
「うちの社員がしでかしたことだ。知らなかったでは済まされない……」
社長は眉間に深いシワを寄せ、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。相手が常識のある社長で本当に良かったと、私は密かに胸をなで下ろした。
「うちとしては、高橋専務の娘には自主退職していただきたいと考えています」
「ああ……」
「御社の方では、どのように対応されますか? 証拠資料はこちらでお渡しできますが」
要さんが手を差し出したので、私は会社を出る前に預かっていた封筒を鞄の中から取り出した。