カットNG、恋はOK ~髪フェチ美容師は失恋女子を放っておけない~
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Dearstarが入っている雑居ビルは駅から住宅街へつながる街道沿いに位置している。駅の方へ向かうのかと思えば、蒼人が栞奈を連れ出したのは逆方向だった。彼が行きつけにしているカフェがあるのだという。平日昼間の閑散とした通りを抜け、ドラッグストアの前を歩いていると、生活用品を大量に持った男女の姿が目に留まった。元カレだ。
「……栞奈? なにしてんだこんなところで」
向こうも栞奈の姿に気づいたらしく、気まずそうな彼女をよそに男が話しかける。
「そっちこそ。さっそく新しい恋人と仲良くしてるのね」
「それよりお前、髪切ったのかよ!?」
「悪い?」
「お前はロングの方が似合うと思ったんだけどなぁ」
どこか名残惜しそうな視線を前に栞奈はたじろぐ。新しい恋人がいるのにこんな風に絡んでくるなんて信じられない。