ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
「それでは、契約は成された……クリストファー王子とのアンネローゼの婚約破棄、もしくは、アンネローゼの死……その後すぐに、婚約破棄が撤回されても、俺の知るところではない」

 楽しげな笑い声を残して、悪魔はまるで煙のように消え去った。

 そして、私は迫り来る死の危険も去ったことを実感していた。

 はー、良かった~! 私、死ななくて良いんだ……!

 ホッと安心したのもつかの間、私が対処しなければならないのは、いつのまにか間近に居た王子様だった。

 クリス様は座り込んでいた私の手を取って、あっという間に横抱きにした。顔が近い……! 近いです!

 いえ。もちろん。それは抗議する気はありませんけど!

「アンネローゼ……どうやら、僕たちは……いろいろと話し合うべきだな。そう思わないか?」

「は、はい」

「アンネローゼ。婚約破棄したいと言い出したのは、あの悪魔の呪いが原因か?」

「は、はい!」

「呼び出した奴は誰だ。絶対に、許さない……まあ、すぐにわかるだろう。悪魔は契約と同じだけの代償を契約者へと求めるからな」

「はい……」

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