ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
 取り急ぎ、この異世界は私の知っている乙女ゲーム『私の推しは王子様!』ではありますが、ゲームプレイした日が遠過ぎて、内容詳細が思い出せません! 記憶力? 何それ美味しいの!

 だけど、そもそも迫り来る断罪フラグを折る前に、私の命へ危険が猛スピードで迫っているんだった……!

 もー! 今日中に婚約破棄されて来いなんて、どんな不可能任務(ミッションインポッシブル)なの!

 黒衣の男は私の絶望の表情を堪能して楽しんでいるようで、口元でにやっと笑い、現れた時と同様に唐突に消えた。

 きっ……消えた!

 それは、魔法のあるゲーム世界なので、そういうこともあるでしょうって感じなんだろうけど、こうして目の前で起こると驚くしかない。

 ああああああ。そんなことを考えている時間も惜しかった!

 私はもう一度時計を見た。さっきから、五分も経ってる!

 駄目駄目駄目。早くクリス様に会って自然な流れで、私に婚約破棄をしてもらわないと!


◇◆◇


 私は取り急ぎ準備させた城へと向かう馬車の中で、これから自分はどうするべきか悩んでいた。

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