俺様鉄面皮上司が偽装彼氏になりまして。

◆◆彼氏になるよと、上司は言ったのだった

「大変だったな。……月城くんに彼氏がいるのは分かっていたが、……ああいう相手だったとは」
 平日は深夜まで残業なので、土曜日に、お互い、夜の七時にあがって、場所を移して駅近くのカフェにて。変にバーや居酒屋に呼ばれるより、男女を意識せずに済む。勿論上司はそんなお計らいもろとも計算済みだ。
 元彼氏から連絡が入っていたが勿論無視した。……だが、自宅アパートの位置を知られているだけに警戒が必要だ。
 なので、上司からの提案は、願ったりかなったり。
 なのでは、あるが……。
「それで、……どうして時枝さんが偽装彼氏……彼氏の振りなんてしてくださるんですか」
 我ながら期待に満ちた質問だったと思う。上司は仏頂面のまま、
「勿論、……きみのことが好きだから」
 どきん、と心臓が音を立てる。上司のこんな顔は……見たことがない。
 相変わらずのポーカーフェイスなのに、胸にありありと感情が宿っていて。
 好き、ってその瞳に書いてある。
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