敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 きちんと娘を育てていきたい、さみしい思いをさせないよう居場所をつくりたい……そんな気持ちがあったのだと思う。

「勤めていた会社を辞めて、銀行からお金を借りたみたいです。だけど、騙されたらしくて……」
「騙された? 誰に?」
「経営コンサルタントだと名乗る人です。信頼していたのに、お金を持って逃げられたって言ってました」

 私は中学生だったから、当時はよくわかっていなかったけれど、父は詐欺にあったのだ。
 退職金も、銀行からの借入金も、すべて失った父は意気消沈していた。
 それ以降は生活が苦しくなり、ブックカフェのことはいっさい口にしなくなってしまった。
 開業する気力がなくなったというより、人間不信に陥ったのだと思う。

「それからは工場で働いていたんです。でも、ギャンブルをやるようになって……」

 ギャンブルで勝てば楽に取り返せると考えたのだそうだ。そんなの、うまくいくわけがないのに。
 私は父がギャンブルにはまっていることを知らず、生活費の捻出と借金返済のために、真面目に働いてくれていると信じて疑わなかった。
 だが実際はそうではなく、負けが続いてお金に困った父は、私に隠れて消費者金融で借りるようになった。
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