敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「ところで明日は早番? 遅番?」
「遅番です」

 私のシフトがどうかしたのだろうかと不思議に思いつつ返事をすると、彼はウンウンと小刻みにうなずいた。

「婚姻届を出しに行こう」

 戸籍上、夫婦となるには役所に婚姻届を提出しなければならない。

『期間限定で俺の妻を演じてくれないか?』

 彼から言われた言葉が脳裏をよぎり、私たちは〝偽装結婚〟するのだとあらためて意識した。
 もしもこの先、互いに偽装しなくてもいい状況になったら、この関係はいったいどうなってしまうのか……。

「出しに行くって、いつですか?」
「明日。陽咲は遅番だから、午前中に区役所へ行こう。俺のほうも明日は急ぎの仕事がないから、午前は休む」

 彼はそう言ってすぐ、スマホを操作してメッセージを打ち込んでいた。
 おそらく会社の人に、明日は半休を取ると連絡しているのだろう。

「あの……碧人さんのご両親にまだご挨拶してないんですけど、いいんですか?」

 借金のことしか頭にない私の父とは違い、碧人さんには立派なご両親がいるはず。彼はこの結婚のことをちゃんと伝えているのだろうか?

「挨拶は今度でいいよ。父は京極グループのトップだから忙しいし」
「え!」
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