敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 思わず目を見開いてしまった。碧人さんがアークラディアのCEOだったことも驚いたけれど、彼の父親が、あの有名な京極グループの頂点に立つ方だったなんて……。
 すでに十分すぎるほどの格差を感じていたが、さらに自分の世界とはかけ離れている人たちなのだと思い知らされた。

(そんな立派なご両親に、私みたいな貧乏家庭で育った娘が結婚相手だと、本当に紹介していいのかな)

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」

 あらためて突きつけられた〝住む世界の差〟に、眩暈がしそうなほどの衝撃を受けた私は、ただぼうぜんと彼を見つめることしかできない。

「で、婚姻届なんだけど」

 彼が自室から持ってきたクリアファイルの書類を取り出し、リビングのテーブルの上に広げた。

「な、なんですかこれ。すごい!」
「いいだろ? 今日、自分で作ったんだ」
「え⁈ 婚姻届って自作していいんですか?」

 私の素直な質問に、彼は笑顔でうなずいた。
 婚姻届は区役所でもらってきたり、ダウンロードしてプリントアウトしたりするものだと思っていた。
 しかし、A3のサイズで、記入欄のフォーマットをきちんと守ってさえいれば、余白の部分はアレンジしてもいいらしい。
 華やかな花柄や、愛くるしい動物のモチーフが描かれたものなど、インターネット上からダウンロードできるものもたくさんあるのだと、碧人さんが教えてくれた。
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