氷の部長の大臀筋(お尻)を拝んでいただけなのに、バレて囲い込まれました
2.拝んでみたい
「そういえば今朝、犬の散歩していたら部長がジョギングしててさ」
「ジョギング、ですか……?」
あの最高のお尻はジョギングで作られていた……!
「薄暗い時間なのにさ、ものすごいスピードで走ってんの」
先輩の言葉になんだか納得できてしまった和葉は、わかるわかると頷く。
「声かけようかと思ったけど、相変わらず話しかけるなオーラが凄くてスルーしちゃった。あの人、仕事だけじゃなくてプライベートまでストイックなんだねぇ」
やっぱり……!
ストイックの賜物があの大臀筋……!
和葉はデスクの下で、さすがですとギュッと拳を握りしめた。
脳内でランニングウェアに身を包んだ常盤が、朝霧の中を疾走する姿が爆速でモデリングされる。
一歩踏み出すごとにあの引き締まった大臀筋が美しく収縮しているに違いない。
……遠くからでいいから、一瞬だけでも拝んでみたい。
「……水野、聞いてる?」
「は、はいっ、聞いて……ませんでした」
おいおいと呆れながら、先輩はもう一度説明してくれる。
「会社別、月別でグラフですね」
まかせてくださいと和葉が張り切ると、先輩は不安そうに苦笑いをした。
「空回りしてまた怒られないようにね」
「大丈夫です」
それよりも素敵な情報、ありがとうございます。
不純なエネルギーを動力源に、和葉は猛烈な勢いでキーボードを叩き始めた。
はずだったのに。
気付けば時計の針は午後八時を回っていた。
フロアの電気は節電のために間引かれ、残っているのは和葉と常盤だけ。
静まり返ったオフィスに、コツコツと静かな足音が響く。
和葉が顔を上げると、いつの間にかネイビーのスーツを完璧に着こなした常盤が立っていた。
「水野、まだかかるのか?」
常盤は椅子には座らず、デスクの縁に浅く腰を掛ける。
スラックスの生地が限界まで引き絞られ、逞しい筋肉の形が浮き彫りになったヒップラインに、和葉の心臓は壊れそうだった。
近すぎる!
「会社別だと言ったのに、どうして部署名まで入っているんだ」
「それは元のデータが」
「直してから集計しないと意味がないだろう」
「は、はい。なので、今……」
言われていることは尤もで、どこまでも冷ややかな声なのに、和葉の視線はやっぱりネイビーのスラックスに包まれたその腰元へと吸い寄せられてしまう。
「……ちゃんと聞いているのか?」
「き、 聞いてます、聞いてますっ!」
和葉はパッと顔を上げ、引きつった笑みを浮かべる。
常盤は冷徹な眼差しのまま、ふいと自分の腰元に目を落とした。
まるで和葉の視線のレーザービームがどこに向かっていたのか、確かめるように。
まさか気づかれた……?
和葉の背中に、じっとりと嫌な汗が吹き出す。
「明日でいい。今日はもう帰れ」
「はいっ」
急いでパソコンをシャットダウンしバッグを掴むと、すでに常盤はオフィスの入り口で待ち構えていた。
「ジョギング、ですか……?」
あの最高のお尻はジョギングで作られていた……!
「薄暗い時間なのにさ、ものすごいスピードで走ってんの」
先輩の言葉になんだか納得できてしまった和葉は、わかるわかると頷く。
「声かけようかと思ったけど、相変わらず話しかけるなオーラが凄くてスルーしちゃった。あの人、仕事だけじゃなくてプライベートまでストイックなんだねぇ」
やっぱり……!
ストイックの賜物があの大臀筋……!
和葉はデスクの下で、さすがですとギュッと拳を握りしめた。
脳内でランニングウェアに身を包んだ常盤が、朝霧の中を疾走する姿が爆速でモデリングされる。
一歩踏み出すごとにあの引き締まった大臀筋が美しく収縮しているに違いない。
……遠くからでいいから、一瞬だけでも拝んでみたい。
「……水野、聞いてる?」
「は、はいっ、聞いて……ませんでした」
おいおいと呆れながら、先輩はもう一度説明してくれる。
「会社別、月別でグラフですね」
まかせてくださいと和葉が張り切ると、先輩は不安そうに苦笑いをした。
「空回りしてまた怒られないようにね」
「大丈夫です」
それよりも素敵な情報、ありがとうございます。
不純なエネルギーを動力源に、和葉は猛烈な勢いでキーボードを叩き始めた。
はずだったのに。
気付けば時計の針は午後八時を回っていた。
フロアの電気は節電のために間引かれ、残っているのは和葉と常盤だけ。
静まり返ったオフィスに、コツコツと静かな足音が響く。
和葉が顔を上げると、いつの間にかネイビーのスーツを完璧に着こなした常盤が立っていた。
「水野、まだかかるのか?」
常盤は椅子には座らず、デスクの縁に浅く腰を掛ける。
スラックスの生地が限界まで引き絞られ、逞しい筋肉の形が浮き彫りになったヒップラインに、和葉の心臓は壊れそうだった。
近すぎる!
「会社別だと言ったのに、どうして部署名まで入っているんだ」
「それは元のデータが」
「直してから集計しないと意味がないだろう」
「は、はい。なので、今……」
言われていることは尤もで、どこまでも冷ややかな声なのに、和葉の視線はやっぱりネイビーのスラックスに包まれたその腰元へと吸い寄せられてしまう。
「……ちゃんと聞いているのか?」
「き、 聞いてます、聞いてますっ!」
和葉はパッと顔を上げ、引きつった笑みを浮かべる。
常盤は冷徹な眼差しのまま、ふいと自分の腰元に目を落とした。
まるで和葉の視線のレーザービームがどこに向かっていたのか、確かめるように。
まさか気づかれた……?
和葉の背中に、じっとりと嫌な汗が吹き出す。
「明日でいい。今日はもう帰れ」
「はいっ」
急いでパソコンをシャットダウンしバッグを掴むと、すでに常盤はオフィスの入り口で待ち構えていた。