一番星にキスをする
 朝日がまぶた越しに差し込んでいるのがわかる。

(あぁ……頭がガンガンする……)

 痛みのせいで目を開けられず、(ひじり)は枕に顔を突っ伏したまま呻き声を漏らす。

(昨日飲みすぎちゃったからなぁ……途中から記憶がないし……もうやだ……)

 頭の中を、楽しいサンタのベルではなく、不協和音で殴られているかのような音が響いていた。

 昨日はクリスマス。しかしせっかくのクリスマスだというのに、仕事は忙しいし、一緒に過ごす相手もいない。それなら独り者の同期で集まって、クリスマスパーティーをしようということになったのだ。

 だが突然の思いつき。空いている店が見つからず、仕方なく会社から近い場所に住んでいた牧川(まきかわ)(おさむ)の家に酒や食べ物、ケーキを持ち寄って集まることになった。

 気の置けない仲間たちとの時間は楽しかった。それに修の家なら時間の制約もないため、楽しんだら終電に間に合うように帰ればいいと思っていたはずなのに、途中からの記憶が抜け落ちていることに気付く。

(ん……? ちょっと待って。私、昨日はどうやって帰ってきたんだっけ……)

 昨夜はまず誰かが買ってきたシャンパンをあけて、それからワイン、缶チューハイ……までは覚えていたが、その後のことが思い出せずに眉間に皺を寄せる。

(最初に美穂と奥田が帰って……それから伊藤さんが帰って……ん? 私はいつ帰ったっけ……?)

 その時だった。

 隣で誰かが寝返りを打ったかと思うと、聖の背後から突然抱きついてきたのだ。

 しかもその両手は聖の胸をすっぽりと包み込み、さりげなく揉んでいる。

 ようやく自分が裸であることに気付いて、目をガッと開いた。

 視界に入ったのは、明らかに自分の部屋ではないインテリア。もっと詳しく説明すれば、昨夜訪れた修の部屋のままだった。
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