空に吹く、風の音を教えて。
「これから試合だってのによく他校の男の話してられるよね?」


…この声は。


「は?また君?そっちこそ朝からけんか腰なんてどうかしてると思いますけど!朝の第一声はおはようございますって決まってるの!そんなことも知らないなんて君一体おいくつでちゅかぁ?」

「光莉ちゃん、ちょっと落ち着いて」


私が止めに入ると彼の鋭い視線が私めがけて飛んできた。

これは、私もまた言われるパターンだ。

静かに脈が速くなっていくのを感じながら身構える。


「…おはよ」

「ふぇ?」


私は拍子抜けして、マヌケな声を出してしまった。

小声だったけど、でもちゃんと聞こえた。


「え?なんか言った?」

「おはよう、弥代くん」


私が返すとニヤッと不敵な笑みを浮かべて自分の席へと向かっていった。


「え?もしやヤツおはようって言ったん?大真面目に?」

「うん。私には聞こえた」

「ふ~ん。あっそ。ってか、なんかウチと風ちんで態度違いすぎくない?!ああもお!むかつくぅ…」


光莉ちゃんはぷんすかしちゃったけど、弥代くんは今日も相変わらず涼しい顔をしている。

余裕ある感じ、なんかすごい。

小心者の私とは大違いだ。

あ、そっか。

あのくらい堂々としてればいいんだ。

完璧には真似できなくてもやろうという姿勢は大事。

今日1日弥代くんを見習ってちょっとふてぶてしいくらいに過ごしてみよう。

そう思った。



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