空に吹く、風の音を教えて。
結局次の試合では私は早々に当てられ、クラスとしても大敗を喫した。

それもそのはず。

相手がまたもや3年生だった上に、野球やバレー部が他クラスよりも多いクラスだったから。

いくら弥代くんがいたとしても、午前中の疲れもあるからどの道厳しかったと思う。

2年生ながら健闘したほうだと思う。

しかし、まだ最後のメイン競技が控えている。

それは、言わずもがな…


「リレーどこまで勝ち抜けるかねぇ」

「どのクラスも選りすぐりの逸材投入してくるからね。足の速さってあんま年齢関係ないし」

「そーなんだよねぇ。まあでも、心配しててもしょうがないし、リレーメンバーには頑張ってもらわなきゃ!」


そう、クラス対抗リレー。

男女混合4人1チームで800mを駆け抜ける。

これぞ体育祭の醍醐味、だと個人的には思ってる。

個人とかクラス団体競技よりも配点が高くなってるし、リレーを制す者は体育祭を制すといっても過言ではない。

私たち応援側も一段と気合が入る。

さっきまでハチマキなんてなんのそのって感じの男子たちもたくさんいたのに、今は見渡す限り、みんな頭に真っ赤なハチマキを巻いている。

選手たちも続々とグラウンドの真ん中に集まっていく。

緊張しているのか何度も深呼吸している女子がいたり、試合前のルーティーンみたいなことをしてる人もいたり、実に様々だ。

オリンピックに出てくる本物のアスリートみたい。


「2の1ファイト~~~~!!」


私がのんきに人間観察しているのに対してまだ開始まで時間があるというのに光莉ちゃんはもう声出ししている。

この声援を今日1番活躍している彼も聞いているのかな。

ふとそんなことを思ってグラウンドの中央に再び視線を移すと、砂埃が舞う中、なにかを口ずさんでいる?弥代くんを見つけた。


「ねぇ、光莉ちゃん」

「ん?どした?」

「なんか、弥代くん歌ってるように見えるんだけど…」

「え?マジ?どれどれ」


光莉ちゃんが身を乗り出して凝視する。


「マジだ。あとでなに聞いてたんか聞いてみよーっと」


ほんと、いつ見ても自分軸がぶれてないよね。

良い意味でマイペース。

この1日でよーくわかった。

そのマイペースが、

自分らしくいることが、

周りの人を変える力に結び付くんだってこと。

自分に素直に生きてもいいんだってこと。

それに周りも感化されて応えてくれるようになるってこと。


…やっぱ、すごいなぁ。


「がんばれ」


今は小さな声でつぶやくのが精いっぱいの私だけど、いつかは大声で誰かを応援して勇気づけられる。

そんな人に、なりたい。

また1つ願いが増えた。

希望の光が胸にほわっと灯った。



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