空に吹く、風の音を教えて。
今日という1日は長かったようであっという間に過ぎていった。
今私は今日1番ドキドキしてる。
口から心臓が飛び出そうなんてよく表現されるけど、まさにそんな感じ。
自分が出場するわけでもないのにこんな気持ちになるなんて、始まる前は思いもしなかった。
さっきより風が強く吹いてきて、小さな砂嵐が立ちのぼる。
私は固唾をのんでその瞬間を待った。
選手たちが一直線の白いラインに並ぶ。
私たちのクラスは女子1俊足の南さんが走る。
ピストルを持った校長先生自らがトラックの内側のお決まりの位置につく。
そして、
掲げた。
「位置について、よーい…」
ーーーパン!!
銃声が青空を貫いた。
選手たちが一斉に地面を蹴って前へ前へと足を運んでいく。
「みなみーー!ファイトーー!」
「がんばれー!」
光莉ちゃんの隣だと私の声もかき消されてしまうのだけど、それでも構わないから持てる力のすべてを出し切るつもりで叫んだ。
ちっぽけな声でも
伝えたい気持ちは
ちゃんと大きいって。
それを届けたくて。
最後に駆け出していく、
彼に。
息を吐く暇もないほどに時は早く流れ、3人目からアンカーへとバトンパスをするタイミングがやって来た。
「来た来た!遂にアンカー!」
陸上部エースの高橋くんからアンカーの弥代くんへ。
太陽の煌めきをそのまま映したみたいな眩しい黄色のバトンが手渡される。
「頼んだ!」
高橋くんが息も絶え絶えになりながら叫んだ。
弥代くんはいつもと変わらぬ不適な笑みを浮かべながら駆け出した。
「うぉーー!速い速いっ!速いよっ!やっちまえ!やしろーん!」
緊張で喉がカラカラだし、顔の筋肉が硬直して私は声を出そうにも出せない。
だから、とにかく祈った。
両掌を合わせて、お願いをした。
どうか、このまま。
美しいエンディングを。
その祈りに応えるかのように弥代くんの足はさらに加速していく。
よし、行ける…!
ラストの直線、残り50メートル。
逃げ切って。
逃げて。
走って。
走って。
そして…
笑って。
余裕のあるあの笑顔を
私は見たいよ。
反射的に目を瞑る。
願いを全てこめて。
今私は今日1番ドキドキしてる。
口から心臓が飛び出そうなんてよく表現されるけど、まさにそんな感じ。
自分が出場するわけでもないのにこんな気持ちになるなんて、始まる前は思いもしなかった。
さっきより風が強く吹いてきて、小さな砂嵐が立ちのぼる。
私は固唾をのんでその瞬間を待った。
選手たちが一直線の白いラインに並ぶ。
私たちのクラスは女子1俊足の南さんが走る。
ピストルを持った校長先生自らがトラックの内側のお決まりの位置につく。
そして、
掲げた。
「位置について、よーい…」
ーーーパン!!
銃声が青空を貫いた。
選手たちが一斉に地面を蹴って前へ前へと足を運んでいく。
「みなみーー!ファイトーー!」
「がんばれー!」
光莉ちゃんの隣だと私の声もかき消されてしまうのだけど、それでも構わないから持てる力のすべてを出し切るつもりで叫んだ。
ちっぽけな声でも
伝えたい気持ちは
ちゃんと大きいって。
それを届けたくて。
最後に駆け出していく、
彼に。
息を吐く暇もないほどに時は早く流れ、3人目からアンカーへとバトンパスをするタイミングがやって来た。
「来た来た!遂にアンカー!」
陸上部エースの高橋くんからアンカーの弥代くんへ。
太陽の煌めきをそのまま映したみたいな眩しい黄色のバトンが手渡される。
「頼んだ!」
高橋くんが息も絶え絶えになりながら叫んだ。
弥代くんはいつもと変わらぬ不適な笑みを浮かべながら駆け出した。
「うぉーー!速い速いっ!速いよっ!やっちまえ!やしろーん!」
緊張で喉がカラカラだし、顔の筋肉が硬直して私は声を出そうにも出せない。
だから、とにかく祈った。
両掌を合わせて、お願いをした。
どうか、このまま。
美しいエンディングを。
その祈りに応えるかのように弥代くんの足はさらに加速していく。
よし、行ける…!
ラストの直線、残り50メートル。
逃げ切って。
逃げて。
走って。
走って。
そして…
笑って。
余裕のあるあの笑顔を
私は見たいよ。
反射的に目を瞑る。
願いを全てこめて。