空に吹く、風の音を教えて。
「はぁはぁはぁ…」
息を切らしながら小走りし続けてなんとか地下に続くライブハウスの前まで辿り着いた。
時刻は…20時31分。
まだ、やってるはず。
信じて階段を降りて行こうとすると、目の前から人がゾロゾロと出て来た。
「え?嘘…」
私がぼんやりと立ちすくんでいるといかにもなチャラ男に舌打ちされた。
ひとまず退散し、すぐさま颯太にメッセージを送る。
返事は5分くらいしてから来て、今からそっちに行くと書かれてた。
そして、寒空の下待つことさらに数分、ギターを背負った颯太が上がって来た。
「颯太…」
「間に合わなかったな。まぁ、でも仕方ないよ。風花なりに鈍足ながらも必死に走って来てくれたんだもんな」
普段ならこの後鈍足なんて失礼だから、とかお小言を垂れるところだけど、今日はそんなことできなかった。
完全に私が悪いから。
「ごめん。ほんとに、ごめん。弥代くんはどこ?弥代くんにも謝りたいんだけど」
「ゆうくんは…今、その…スタッフの人と話したり、あ、そうそう、片付けしたりとか、いろいろ、いろいろしてるから、先帰っていいって」
いつもは饒舌な颯太の歯切れが悪すぎる。
こういう時、大抵颯太は嘘をついている。
姉弟だから似てるのか私たちは嘘をつくのが下手だ。
「颯太、疲れてるよね?先帰ってていいよ。私、どうしても弥代くんと会ってちゃんと謝りたいから残る」
「…そ。風花がそういうならそうするけど。でも、あんま深入りしない方がいいと思う。特に風花には、されたくないと思う」
「え?」
颯太は意味不明なことを呟くと踵を返しそそくさと去っていってしまった。
息を切らしながら小走りし続けてなんとか地下に続くライブハウスの前まで辿り着いた。
時刻は…20時31分。
まだ、やってるはず。
信じて階段を降りて行こうとすると、目の前から人がゾロゾロと出て来た。
「え?嘘…」
私がぼんやりと立ちすくんでいるといかにもなチャラ男に舌打ちされた。
ひとまず退散し、すぐさま颯太にメッセージを送る。
返事は5分くらいしてから来て、今からそっちに行くと書かれてた。
そして、寒空の下待つことさらに数分、ギターを背負った颯太が上がって来た。
「颯太…」
「間に合わなかったな。まぁ、でも仕方ないよ。風花なりに鈍足ながらも必死に走って来てくれたんだもんな」
普段ならこの後鈍足なんて失礼だから、とかお小言を垂れるところだけど、今日はそんなことできなかった。
完全に私が悪いから。
「ごめん。ほんとに、ごめん。弥代くんはどこ?弥代くんにも謝りたいんだけど」
「ゆうくんは…今、その…スタッフの人と話したり、あ、そうそう、片付けしたりとか、いろいろ、いろいろしてるから、先帰っていいって」
いつもは饒舌な颯太の歯切れが悪すぎる。
こういう時、大抵颯太は嘘をついている。
姉弟だから似てるのか私たちは嘘をつくのが下手だ。
「颯太、疲れてるよね?先帰ってていいよ。私、どうしても弥代くんと会ってちゃんと謝りたいから残る」
「…そ。風花がそういうならそうするけど。でも、あんま深入りしない方がいいと思う。特に風花には、されたくないと思う」
「え?」
颯太は意味不明なことを呟くと踵を返しそそくさと去っていってしまった。