空に吹く、風の音を教えて。
「……い。…て、ほずみん」
「ん?そ…あ、弥代くん」
「やっぱりほずみんって呼ばれると起きるんだ」
「いや、そんなことないよ。たまたまだよ、たまたま」
「さぁ、どうだろうねー」
「クリスマスだから意地悪しないんじゃなかったっけ?」
「さぁて、何のことだか?ま、とりあえずみんな出たから話せるけど。なんか言いたいことあったんじゃないの?わざわざこんな日に来るなんてさ」
言いたいことというか、
とにかく謝りたい。
それに、あの疑問…。
寝落ちする前に考えてて
疲れて寝ちゃったけど、
ちゃんと覚えてるよ。
私はパイプ椅子から立ち上がった。
少し顔を上げて弥代くんの瞳をただ見つめる。
「もう一度謝らせてください。本当にごめんなさい」
「オレ、誘った覚えないけど。颯太に言われなかったら気づかなかったし来なかったでしょ?別に姉ちゃんにも宣伝とかしてなかったし。だから謝る必要ない」
弥代くんのことだ。
私の心理的負担を減らすためにあえて言わなかったんだと思う。
そのくらい、私にも分かるよ。
だから、そうじゃなくて。
「じゃあ…もう謝らない。でも、これだけ聞かせて。寝落ちする前考えてたんだけど、それでも分からなかったことがあるんだ。
どうして…どうしてあんな、あんな悲しそうな顔したの?だって、最初から期待してなかったら別に諦められるじゃん。
本当に来なくても良かったなら…あんな顔、しないでよ。こっちだって…苦しいよ。…悲しいよ」
重力に従って私の涙は頬を伝って、少し埃っぽい床に落ちた。
床につけられたいくつものキズに涙が染み込んでいく。
「ごめん…。あぁ、なんで泣いてるんだろ、私?疲れて、おかしくなっちゃったのかな?」
弥代くんはただ黙って私を見ていた。
いつもなら嫌味言ったり、茶化したりするのに。
何でこんな時に限って何も言わないんだろう?
何も言ってくれないと、困るよ。
沈黙が、怖いよ。
なんか喋ってよ…。
「ねぇ、弥代くん…。もしかして、寝て…」
「オレは保泉さんと違って異性の前で堂々と寝るようなやつじゃないから」
「そ、そそ、それは…。こっちも恥ずかしいからあんまり触れないでください」
羞恥心が限界突破して両手で顔を覆う。
指の隙間から弥代くんの腕が見える。
なんか、こっちに伸びて来ているような…。
「ここで、ストップ」
「ど、どういう意味?」
「もし仮に、オレが保泉さんに、これから触れてもいいって聞いたら、どう答える?」
「ど、どうって…それは…」
もし仮にっていうか。
仮に、じゃないよね?
それはもう聞いてるってことだよね?
もしかして、泣いてたからよしよししてくれようとしてる?
そんな私、子供じゃないんだし。
「ダメ。っていうか嫌だ」
私がそう言うと弥代くんはいつものニヤケ顔になった。
「そ。それだけはっきり言われたら、もう傷つくところないわ。だから、オレもはっきり言う」
私はただならぬ気迫を感じてまじまじと弥代くんの顔を見つめてしまった。
そしたら…
気づいてしまった。
弥代くんの頬に涙が通った跡があった。
渇いて線になって一本だけだけど、はっきり見える。
弥代くんに一体なにが…
それに私は何を、言われるの?
自然と視線が交わった瞬間、弥代くんは口を開いた。
「ん?そ…あ、弥代くん」
「やっぱりほずみんって呼ばれると起きるんだ」
「いや、そんなことないよ。たまたまだよ、たまたま」
「さぁ、どうだろうねー」
「クリスマスだから意地悪しないんじゃなかったっけ?」
「さぁて、何のことだか?ま、とりあえずみんな出たから話せるけど。なんか言いたいことあったんじゃないの?わざわざこんな日に来るなんてさ」
言いたいことというか、
とにかく謝りたい。
それに、あの疑問…。
寝落ちする前に考えてて
疲れて寝ちゃったけど、
ちゃんと覚えてるよ。
私はパイプ椅子から立ち上がった。
少し顔を上げて弥代くんの瞳をただ見つめる。
「もう一度謝らせてください。本当にごめんなさい」
「オレ、誘った覚えないけど。颯太に言われなかったら気づかなかったし来なかったでしょ?別に姉ちゃんにも宣伝とかしてなかったし。だから謝る必要ない」
弥代くんのことだ。
私の心理的負担を減らすためにあえて言わなかったんだと思う。
そのくらい、私にも分かるよ。
だから、そうじゃなくて。
「じゃあ…もう謝らない。でも、これだけ聞かせて。寝落ちする前考えてたんだけど、それでも分からなかったことがあるんだ。
どうして…どうしてあんな、あんな悲しそうな顔したの?だって、最初から期待してなかったら別に諦められるじゃん。
本当に来なくても良かったなら…あんな顔、しないでよ。こっちだって…苦しいよ。…悲しいよ」
重力に従って私の涙は頬を伝って、少し埃っぽい床に落ちた。
床につけられたいくつものキズに涙が染み込んでいく。
「ごめん…。あぁ、なんで泣いてるんだろ、私?疲れて、おかしくなっちゃったのかな?」
弥代くんはただ黙って私を見ていた。
いつもなら嫌味言ったり、茶化したりするのに。
何でこんな時に限って何も言わないんだろう?
何も言ってくれないと、困るよ。
沈黙が、怖いよ。
なんか喋ってよ…。
「ねぇ、弥代くん…。もしかして、寝て…」
「オレは保泉さんと違って異性の前で堂々と寝るようなやつじゃないから」
「そ、そそ、それは…。こっちも恥ずかしいからあんまり触れないでください」
羞恥心が限界突破して両手で顔を覆う。
指の隙間から弥代くんの腕が見える。
なんか、こっちに伸びて来ているような…。
「ここで、ストップ」
「ど、どういう意味?」
「もし仮に、オレが保泉さんに、これから触れてもいいって聞いたら、どう答える?」
「ど、どうって…それは…」
もし仮にっていうか。
仮に、じゃないよね?
それはもう聞いてるってことだよね?
もしかして、泣いてたからよしよししてくれようとしてる?
そんな私、子供じゃないんだし。
「ダメ。っていうか嫌だ」
私がそう言うと弥代くんはいつものニヤケ顔になった。
「そ。それだけはっきり言われたら、もう傷つくところないわ。だから、オレもはっきり言う」
私はただならぬ気迫を感じてまじまじと弥代くんの顔を見つめてしまった。
そしたら…
気づいてしまった。
弥代くんの頬に涙が通った跡があった。
渇いて線になって一本だけだけど、はっきり見える。
弥代くんに一体なにが…
それに私は何を、言われるの?
自然と視線が交わった瞬間、弥代くんは口を開いた。