逆転令嬢 捨てられた私は2度目で王太子のパートナーになる
アーノルドの策略
「どうしたんだ?」
「まだ始まらないのかしら?」
ざわざわと貴族達が騒ぎ出した。
いつまでも私が魔法を使わないから変に思ったのだろう。
ここは上手く誤魔化さないと!
「魔法を披露をお伝え致しましたが、ウィスリー国を護る3家のグロリア家が悪戯に魔法を使うことはいけないのだと今至りました。私の至らなさを示してしまい大変申し訳ございません…」
私は頭を下げて謝罪した後に、再び顔を上げて言葉を発した。
「私は魔法覚醒者として、この国の為に自分の役割を精一杯果たしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します」
暫くの静寂の後、疎らに拍手が上がった。
きっと、この会場にいる誰もが私の魔法の披露を期待していたが、魔法は披露されなかった。
それが肩透かしだったのかもしれない。
だけど表立っての否定はない。
もしあるのならば、それはグロリア家に楯突くのと同じだからだ。
私は静かに壇上から降りたあと、手首の腕輪に視線を向ける。
この腕輪を嵌めたせいで魔力が消えた。
腕輪に手を触れて外そうとするが、腕輪が外れない。
(どうして、外れないのよ!まさか、腕輪を作った者じゃないと外れないっていうの!?)
私に腕輪を渡したのはブレンダだが、腕輪を嵌めたのは私自身。
魔力が突然消えたのはこの腕輪がただの腕輪ではなく、魔法具だと物語っている証拠。
今慌てても結果は同じなら、この夜会を無事に乗り切って、何とかして腕輪の魔法具を外す方が懸命だ。
幸い、魔法の披露は誤魔化すことができた。
夜会で3家のうち2家であるギデリオン家、ガドフリー家の当主、もしくは次期当主達に気にいられてコネさえ作ることができれば、今後大いに役立つことができるだろう。
そう思い、私は会場内を歩いていたら思わず、何かにぶつかってしまった。
「あ、ごめん…」
「いえ、私こそ……」
私は顔を上げて相手を見る。
そこには一人の少年がいた。
黒髪に黒曜の瞳。子供ながらに整った顔立ちをしていた少年だった。
身なりも他の貴族達より綺麗な服を着ているのでおそらく、それなりの身分が高い貴族の子供なのだろう。
「きみ先程、壇上にいたグロリア嬢だよね。演説素晴らしかったよ」
「ありがとうございます」
「でも、魔法を使うとき気をつけた方が良いよ。場合によっては貴族達の妬みの対象になるから」
「それはどう意味ですか…?」
少年が言っている意味が理解できず、私は彼に問うが、彼はまるで聞かなかったとばかりに一方的に話を打ち切るように、「私はちょっと、行かなければいけないところがあるから」そう言ってその場を後にした。
「何なんだったの…?」
私は思わず一人呟く。
そんな私の背に誰かが声を掛けてきた。
「レイティシア」
振り向くとそこにはアーノルドがいた。
夜会で私にアーノルドが声を掛けるとは想像していなかった。
彼は庶民の血が混ざっている私を酷く嫌っており、例え腹違いの妹としても一緒にいるところを見られたくないはずだから。
アーノルドは唇を歪め、ニヤリと笑うと会場内で良く通る声で言い始めた。
「どうしてお前は魔法が使えると、あんな嘘を平気でついたんだ!周囲を騙そうとするなんて、お前には心底ガッカリだ!」
「なっ…!」
突然何を言い始めたかと思えば、アーノルドは嘘の言葉で私を糾弾し始めた。
会場内にいた貴族達はアーノルドの言葉を聞き、ざわめき始める。
「グロリア家の魔法覚醒者は魔法が使えないのか!」
「では、先程の演説の方は魔法が使えないことを隠すための誤魔化しなの?」
「我々を騙したのか!子供の悪戯ではすまない。これは由々しき事態なのでは…」
アーノルドに感化されて口々に貴族は言葉を募り始める。
そんな貴族たちの前にアーノルドは一歩前に出て許しを乞う兄のように貴族達に頭を下げた。
「皆様、大変申し訳ございません。妹のせいでご迷惑をおかけ致しました。彼女は私生児で教養が足らないところがございます。今後私が責任を持って厳しく躾ていきますので、どうかご容赦下さい」
「まぁ、何てできたご子息なのかしら!妹思いの子ね」
「私生児の妹とは出来が違う。彼をグロリア家の次期当主に選ぶべきだ」
(やられた…!コイツ最初から…)
「まだ始まらないのかしら?」
ざわざわと貴族達が騒ぎ出した。
いつまでも私が魔法を使わないから変に思ったのだろう。
ここは上手く誤魔化さないと!
「魔法を披露をお伝え致しましたが、ウィスリー国を護る3家のグロリア家が悪戯に魔法を使うことはいけないのだと今至りました。私の至らなさを示してしまい大変申し訳ございません…」
私は頭を下げて謝罪した後に、再び顔を上げて言葉を発した。
「私は魔法覚醒者として、この国の為に自分の役割を精一杯果たしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します」
暫くの静寂の後、疎らに拍手が上がった。
きっと、この会場にいる誰もが私の魔法の披露を期待していたが、魔法は披露されなかった。
それが肩透かしだったのかもしれない。
だけど表立っての否定はない。
もしあるのならば、それはグロリア家に楯突くのと同じだからだ。
私は静かに壇上から降りたあと、手首の腕輪に視線を向ける。
この腕輪を嵌めたせいで魔力が消えた。
腕輪に手を触れて外そうとするが、腕輪が外れない。
(どうして、外れないのよ!まさか、腕輪を作った者じゃないと外れないっていうの!?)
私に腕輪を渡したのはブレンダだが、腕輪を嵌めたのは私自身。
魔力が突然消えたのはこの腕輪がただの腕輪ではなく、魔法具だと物語っている証拠。
今慌てても結果は同じなら、この夜会を無事に乗り切って、何とかして腕輪の魔法具を外す方が懸命だ。
幸い、魔法の披露は誤魔化すことができた。
夜会で3家のうち2家であるギデリオン家、ガドフリー家の当主、もしくは次期当主達に気にいられてコネさえ作ることができれば、今後大いに役立つことができるだろう。
そう思い、私は会場内を歩いていたら思わず、何かにぶつかってしまった。
「あ、ごめん…」
「いえ、私こそ……」
私は顔を上げて相手を見る。
そこには一人の少年がいた。
黒髪に黒曜の瞳。子供ながらに整った顔立ちをしていた少年だった。
身なりも他の貴族達より綺麗な服を着ているのでおそらく、それなりの身分が高い貴族の子供なのだろう。
「きみ先程、壇上にいたグロリア嬢だよね。演説素晴らしかったよ」
「ありがとうございます」
「でも、魔法を使うとき気をつけた方が良いよ。場合によっては貴族達の妬みの対象になるから」
「それはどう意味ですか…?」
少年が言っている意味が理解できず、私は彼に問うが、彼はまるで聞かなかったとばかりに一方的に話を打ち切るように、「私はちょっと、行かなければいけないところがあるから」そう言ってその場を後にした。
「何なんだったの…?」
私は思わず一人呟く。
そんな私の背に誰かが声を掛けてきた。
「レイティシア」
振り向くとそこにはアーノルドがいた。
夜会で私にアーノルドが声を掛けるとは想像していなかった。
彼は庶民の血が混ざっている私を酷く嫌っており、例え腹違いの妹としても一緒にいるところを見られたくないはずだから。
アーノルドは唇を歪め、ニヤリと笑うと会場内で良く通る声で言い始めた。
「どうしてお前は魔法が使えると、あんな嘘を平気でついたんだ!周囲を騙そうとするなんて、お前には心底ガッカリだ!」
「なっ…!」
突然何を言い始めたかと思えば、アーノルドは嘘の言葉で私を糾弾し始めた。
会場内にいた貴族達はアーノルドの言葉を聞き、ざわめき始める。
「グロリア家の魔法覚醒者は魔法が使えないのか!」
「では、先程の演説の方は魔法が使えないことを隠すための誤魔化しなの?」
「我々を騙したのか!子供の悪戯ではすまない。これは由々しき事態なのでは…」
アーノルドに感化されて口々に貴族は言葉を募り始める。
そんな貴族たちの前にアーノルドは一歩前に出て許しを乞う兄のように貴族達に頭を下げた。
「皆様、大変申し訳ございません。妹のせいでご迷惑をおかけ致しました。彼女は私生児で教養が足らないところがございます。今後私が責任を持って厳しく躾ていきますので、どうかご容赦下さい」
「まぁ、何てできたご子息なのかしら!妹思いの子ね」
「私生児の妹とは出来が違う。彼をグロリア家の次期当主に選ぶべきだ」
(やられた…!コイツ最初から…)