【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~
机の上にはパステルカラーの包みに包まれたお弁当箱。
それを見つめる響也の顔は澪からだと察してるようだ。
見たこともないくらい複雑で、微妙な表情に変わっていくのを俺は見逃さなかった。
「澪にお前に渡してくれって頼まれた」
「……はぁ?弁当なんか作ってんじゃねぇよ……」
文句を呟きながらも、響也はそのお弁当箱を静かに受け取る。
俺はそんな響也を冷ややかな目で見下ろした。
今朝のあいつの響也を心配する顔を見ていたから無性に腹が立った。
「お前、朝からどーしたわけ?澪がめちゃくちゃ心配してたぞ」
「……べつに。お前に関係ねぇだろ」
響也の周りの空気が、一瞬でピリッと冷たいものに変わる。