終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
時間の許す限り、館内のフォトスポットは余すことなく撮影できた。
さすがに歩き回ってくたくただ。
綾人の目論見どおり、部屋風呂で疲れを癒すことになった。
この窓の外にも、宝石を散りばめたような夜景が広がっていた。
「楽しかったか?」
「うん。すっごくっ!大満足っ!しかもお風呂がジャグジーとかっ」
綾人の肩にもたれながら、小さく笑う。
非日常なのに、綾人との日常も混ざりあって。
こんな贅沢なことはない。
でも、もう一つ、あたしには外せないワガママをお願いしてみる。
「……明日の夜、ビーナスベルトに行かない?」
「いいけど」
「やっぱり、マスターのブルームーンが一番だから」
そう言うと、綾人がくすりと笑う。
「土産買って持ってくか」
「うんっ」
きっとまた、あの扉を開ければ。
「いらっしゃい」
そんな優しい声が迎えてくれる。
「ありがとう、綾人っ」
綾人は言葉の代わりにキスをする。
重なりあう唇の誘惑に、あたしはそっと目を閉じる。
その夜は、幸せを確かめ合うように、互いの熱を感じながら眠りについた。
ふと、喉が乾いて目が覚めた。
静かな寝息が、頭の上から聞こえる。
がっちりホールドされた腕からすりぬけ、ベッドの縁に腰かけた。
体の至る所に、昨晩の甘い跡が熱を帯びたまま。
左足首に付け替えられたアンクレットが、キラリと輝く。
(……加減しなさすぎよっ……ほんと、ばぁか)
窓の外には、夜明け前の淡いピンク色の空が広がっていた。
あの日と同じ、ビーナスベルトの空。
終電を逃した夜から始まった恋は、今日も変わらず続いている。
もう、この甘い罠から抜け出す気なんてなかった。
—完—
さすがに歩き回ってくたくただ。
綾人の目論見どおり、部屋風呂で疲れを癒すことになった。
この窓の外にも、宝石を散りばめたような夜景が広がっていた。
「楽しかったか?」
「うん。すっごくっ!大満足っ!しかもお風呂がジャグジーとかっ」
綾人の肩にもたれながら、小さく笑う。
非日常なのに、綾人との日常も混ざりあって。
こんな贅沢なことはない。
でも、もう一つ、あたしには外せないワガママをお願いしてみる。
「……明日の夜、ビーナスベルトに行かない?」
「いいけど」
「やっぱり、マスターのブルームーンが一番だから」
そう言うと、綾人がくすりと笑う。
「土産買って持ってくか」
「うんっ」
きっとまた、あの扉を開ければ。
「いらっしゃい」
そんな優しい声が迎えてくれる。
「ありがとう、綾人っ」
綾人は言葉の代わりにキスをする。
重なりあう唇の誘惑に、あたしはそっと目を閉じる。
その夜は、幸せを確かめ合うように、互いの熱を感じながら眠りについた。
ふと、喉が乾いて目が覚めた。
静かな寝息が、頭の上から聞こえる。
がっちりホールドされた腕からすりぬけ、ベッドの縁に腰かけた。
体の至る所に、昨晩の甘い跡が熱を帯びたまま。
左足首に付け替えられたアンクレットが、キラリと輝く。
(……加減しなさすぎよっ……ほんと、ばぁか)
窓の外には、夜明け前の淡いピンク色の空が広がっていた。
あの日と同じ、ビーナスベルトの空。
終電を逃した夜から始まった恋は、今日も変わらず続いている。
もう、この甘い罠から抜け出す気なんてなかった。
—完—