終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない

番外編 推し活部屋へようこそ

ピンポーン。

インターホンの音に、あたしは待ってましたとばかり、玄関に駆け寄る。
宅配員から荷物を受け取ると、逸る気持ちを抑えられず、顔がにやけてしまう。

「ふっふっ~♪待ってたよ~いち様っ!」
「今から観るのか?」
「違う。開封の儀は今からだけど、上映の儀は十八時からだから」
「は?」
「ライブ当日と同じ時間から観るっ」
「で、俺も参加なんだな」
「無理強いはしないわよ」
「付き合ってやるよ」

(綾人って……やっぱり優しいよね)
 
晩ご飯の支度に取り掛かる綾人の背中に、あたしはぎゅっと抱きついた。
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