終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
「朝飯どうする」
「食べるー……」
綾人が冷蔵庫から食材を取り出し、慣れた手つきで調理を始める。
おしゃれなだけだと思っていたアイランドキッチンも、こうして見ると妙に様になっていた。
その証拠に、今ある食材で手際よく朝食を作っていく。
あたしはその様子を、天板越しにぼんやり眺めていた。
(卵、片手で割れるんだ……)
「お前、甘めだっけ」
「卵焼き?あぁ、うん、よく覚えてるわね」
「俺は?」
「綾人?……ちょっと甘め?」
「正解」
たしか、前に朝ごはんを作ってくれたときに話してたっけ。
(鼻歌……機嫌良さげ?)
メロディと一緒に、鼻をかすめる焼き魚の香ばしい香り。
それに負けないお味噌汁のお出汁も漂ってくる。
「志穂、皿出して」
「はーい」
勝手知ったるなんとやら。
棚から出して手渡すと、きれいに盛り付けてくれる。
今日は、和食な朝ごはんだ。
二人でテーブルについて、手を合わせる。
「……普通に生活力あるの腹立つ」
「何でだよ」
でもお世辞抜きで、本当に美味しいから困る。
絶妙な塩加減の焼き鮭を堪能していると、綾人が
今日の予定を聞いてきた。
「あたし、買い物行ってくる」
「一人か」
「勝手に決めつけるなっ……まぁ、そうだけど。今度、出張だからその辺りのも買おうかなと」
「聞いてねぇ」
「今言ったもの。代役で急に決まったのよ」
本来、行くはずだった子が緊急入院となり、皆でフォローすることになった。
必然的に、残業も増えるわけで。
仕方ないけれど、頑張るしかない。
「じゃ、食ったら出るぞ」
「は?」
「買いもん行くんだろ?」
「だから?」
「俺も行く」
「なんでよ!」
「婚約者だからな」
「だから、フリだってばっ」
「ごちそうさま」
あたしの抗議も背中で受け流し、そそくさとシンクに向かう。
急いでお味噌汁を飲み干して、あたしも食器を下げた。
「食べるー……」
綾人が冷蔵庫から食材を取り出し、慣れた手つきで調理を始める。
おしゃれなだけだと思っていたアイランドキッチンも、こうして見ると妙に様になっていた。
その証拠に、今ある食材で手際よく朝食を作っていく。
あたしはその様子を、天板越しにぼんやり眺めていた。
(卵、片手で割れるんだ……)
「お前、甘めだっけ」
「卵焼き?あぁ、うん、よく覚えてるわね」
「俺は?」
「綾人?……ちょっと甘め?」
「正解」
たしか、前に朝ごはんを作ってくれたときに話してたっけ。
(鼻歌……機嫌良さげ?)
メロディと一緒に、鼻をかすめる焼き魚の香ばしい香り。
それに負けないお味噌汁のお出汁も漂ってくる。
「志穂、皿出して」
「はーい」
勝手知ったるなんとやら。
棚から出して手渡すと、きれいに盛り付けてくれる。
今日は、和食な朝ごはんだ。
二人でテーブルについて、手を合わせる。
「……普通に生活力あるの腹立つ」
「何でだよ」
でもお世辞抜きで、本当に美味しいから困る。
絶妙な塩加減の焼き鮭を堪能していると、綾人が
今日の予定を聞いてきた。
「あたし、買い物行ってくる」
「一人か」
「勝手に決めつけるなっ……まぁ、そうだけど。今度、出張だからその辺りのも買おうかなと」
「聞いてねぇ」
「今言ったもの。代役で急に決まったのよ」
本来、行くはずだった子が緊急入院となり、皆でフォローすることになった。
必然的に、残業も増えるわけで。
仕方ないけれど、頑張るしかない。
「じゃ、食ったら出るぞ」
「は?」
「買いもん行くんだろ?」
「だから?」
「俺も行く」
「なんでよ!」
「婚約者だからな」
「だから、フリだってばっ」
「ごちそうさま」
あたしの抗議も背中で受け流し、そそくさとシンクに向かう。
急いでお味噌汁を飲み干して、あたしも食器を下げた。