終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
第11話 花火と朝顔の約束
一人、また一人と退勤していく姿を見送る。
「藤原先輩、そろそろ上がったほうが……」
「大丈夫、あと2日しかないからね。もうちょっとブラッシュアップしたいし」
営業部のフロアには、まだ数名がパソコンと格闘中だ。
そろそろ、あたしの腰も肩も目も限界が近い。
「そういえば、昨日迎えに来てくれた人、カッコ良かったですよね!先輩の彼氏ですか?」
「あー……えっと……まぁ……そんなカンジ?」
「イケメンすぎてびっくりしたけど、優しい彼氏さんで羨ましいです」
昨日は終電ギリギリまで残っていたら、綾人がわざわざ会社まで迎えに来てくれた。
周りのどよめきもすごかったけれど、綾人の笑顔の破壊力はそれ以上だった。
(ただ……綾人は自分で"婚約者"とは言わなかったけど)
だから今みたいに、綾人のことを問われても、何て答えたらいいか分からない。
(だって……フリ……だもの)
すると、あたしのスマホが震えた。
綾人から、「会社で待ってろ」とだけメッセージが届く。
後輩も帰らせ、綾人に返信したあと、急いで作業を切り上げた。
十五分程した頃。
会社前の道路に駐車した見慣れた黒のSUV。
「お疲れ」
ウィンドウから眼鏡をかけたオフの綾人が顔を出す。
あたしは助手席に乗り込むと、ドリンクホルダーには、おなじみのミルクティー。
「ありがと……」
シートベルトをしていても、肩を回してしまうほど凝り固まっていた。
「肩こりか」
「うん、ここずっとプレゼン資料に見積りに、神経使ってるからかなぁ……出張前なのにツラい……」
「鍼したことあるか?」
「ううん、整体しかない」
「知り合いに鍼灸師がいるから、明日行ってこい。腕だけは確かだから」
あの綾人がそこまで言うとは。
鍼は少し怖かったけれど、出張前に少しでも楽になるならと思い、明日行ってみることにした。
「藤原先輩、そろそろ上がったほうが……」
「大丈夫、あと2日しかないからね。もうちょっとブラッシュアップしたいし」
営業部のフロアには、まだ数名がパソコンと格闘中だ。
そろそろ、あたしの腰も肩も目も限界が近い。
「そういえば、昨日迎えに来てくれた人、カッコ良かったですよね!先輩の彼氏ですか?」
「あー……えっと……まぁ……そんなカンジ?」
「イケメンすぎてびっくりしたけど、優しい彼氏さんで羨ましいです」
昨日は終電ギリギリまで残っていたら、綾人がわざわざ会社まで迎えに来てくれた。
周りのどよめきもすごかったけれど、綾人の笑顔の破壊力はそれ以上だった。
(ただ……綾人は自分で"婚約者"とは言わなかったけど)
だから今みたいに、綾人のことを問われても、何て答えたらいいか分からない。
(だって……フリ……だもの)
すると、あたしのスマホが震えた。
綾人から、「会社で待ってろ」とだけメッセージが届く。
後輩も帰らせ、綾人に返信したあと、急いで作業を切り上げた。
十五分程した頃。
会社前の道路に駐車した見慣れた黒のSUV。
「お疲れ」
ウィンドウから眼鏡をかけたオフの綾人が顔を出す。
あたしは助手席に乗り込むと、ドリンクホルダーには、おなじみのミルクティー。
「ありがと……」
シートベルトをしていても、肩を回してしまうほど凝り固まっていた。
「肩こりか」
「うん、ここずっとプレゼン資料に見積りに、神経使ってるからかなぁ……出張前なのにツラい……」
「鍼したことあるか?」
「ううん、整体しかない」
「知り合いに鍼灸師がいるから、明日行ってこい。腕だけは確かだから」
あの綾人がそこまで言うとは。
鍼は少し怖かったけれど、出張前に少しでも楽になるならと思い、明日行ってみることにした。