終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
(それを今さら、なんで電話してきたの?)
いや、違う。
なんで、あたしは電話を取ったのか。
「仕事が落ち着いたからさ。会わないか」
「え?……なんで」
「謝りたいこともあるし。明日どう?」
「ちょっと、急に……」
「よしっ。じゃ、明日な、お前の会社に迎えに行くから。逃げんなよ」
言いたいことだけ言って、大輔はそそくさと電話を切った。
(全然、人の話を聞かない……この強引さ)
綾人とは似て非なるもの。
メッセージアプリは相変わらず沈黙のまま。
やるせないモヤモヤを抱えたまま、あたしは店内に戻った。
「大丈夫でしたか?」
「はい、すみませんでした。……あたし、そろそろ帰りますね」
マスターにチェックをお願いすると、阪野先生が制止する。
「マスター、藤原さんのも私のほうに」
「そんなっ」
「その代わりに……差し出がましいですが、今の電話のお相手は元カレですか?」
「……はい」
「まさか、よりを戻すとか?」
「違いますっ……ただ、向こうが謝りたいことがあるみたいで……」
慌てて否定するも、阪野先生は瞳の奥を確かめるように見てくる。
「そうですか。じゃあ、藤原さんはその後、どうしたいですか?」
「その後?」
「復縁ですか?それとも別の何かですか?」
いや、違う。
なんで、あたしは電話を取ったのか。
「仕事が落ち着いたからさ。会わないか」
「え?……なんで」
「謝りたいこともあるし。明日どう?」
「ちょっと、急に……」
「よしっ。じゃ、明日な、お前の会社に迎えに行くから。逃げんなよ」
言いたいことだけ言って、大輔はそそくさと電話を切った。
(全然、人の話を聞かない……この強引さ)
綾人とは似て非なるもの。
メッセージアプリは相変わらず沈黙のまま。
やるせないモヤモヤを抱えたまま、あたしは店内に戻った。
「大丈夫でしたか?」
「はい、すみませんでした。……あたし、そろそろ帰りますね」
マスターにチェックをお願いすると、阪野先生が制止する。
「マスター、藤原さんのも私のほうに」
「そんなっ」
「その代わりに……差し出がましいですが、今の電話のお相手は元カレですか?」
「……はい」
「まさか、よりを戻すとか?」
「違いますっ……ただ、向こうが謝りたいことがあるみたいで……」
慌てて否定するも、阪野先生は瞳の奥を確かめるように見てくる。
「そうですか。じゃあ、藤原さんはその後、どうしたいですか?」
「その後?」
「復縁ですか?それとも別の何かですか?」