終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
第16話 ふたり暮らしなのに、寂しい
打ち合わせの帰り際に、とんでもない爆弾を落とされ、しばし放心のまま帰社した。
(え?……綾人が統括責任者?)
(経営企画部じゃなかったの?)
頭の中は疑問だらけだった。
それでも、企画の熱が冷めないうちにまとめたくて、あたしは仕事に没頭する。
冬の文化体験……しかも、日本らしいもの。
年越しそばに、温泉、こたつにみかん。
餅つき、初詣に、豆まき、双六……。
海外のお客様が喜びそうなものをノートへ書き出していく。
けれど、途中で手が止まった。
(綾人ならどう考えるんだろ……)
企画の責任者でもあり、ワタセホテルの後継者。
あたしの知らない顔ばかりだ。
知らない顔……?
(そうだ!推し活プランとかも面白そう)
推しのアクスタやぬいぐるみと一緒に、こたつで写真を撮ったり。
普段は見られない夜景と撮ったり。
ラグジュアリーな空間で推しと過ごす非日常体験は、素敵だと思う。
(いいっ!あたしもいち様と過ごしたいっ)
いろいろなシチュエーションを妄想していると、ふと綾人の顔がよぎる。
(これ、綾人には誰の案か絶対にバレる……)
(でも待って……意外と乗り気かも?)
この前のアイドルショップでのひと幕を思い出して笑いがこぼれる。
なんだか肩の力が抜けて、胸の奥が暖かくなった。
でも同時に、もやもやしたものが心を掠めていく。
(……どうしよう、今すごく綾人の淹れたミルクティーが飲みたい)
自販機のミルクティーで我慢しながら、ひたすら案を形にまとめていく。
気づけば定時を過ぎていた。
「藤原さん、今日は残業ですか?」
「ううん、帰る」
「珍しいですね」
「たまにはね」
取り纏めた資料を見返す。
四季折々の体験……あたしが担当するのは冬だけだけど、綾人はそれだけじゃない。
これに関わる全ての事柄が、彼に責任者としてのし掛かっている。
(綾人のこと……何も知らなかったんだなぁ……)
気づけば、また綾人のことを考えていた。
綾人の知らなかった一面を垣間見たからか。
それとも、最近会えてないからか。
マイナス思考に覆われる前に、あたしは急いで退勤準備に取りかかった。
(え?……綾人が統括責任者?)
(経営企画部じゃなかったの?)
頭の中は疑問だらけだった。
それでも、企画の熱が冷めないうちにまとめたくて、あたしは仕事に没頭する。
冬の文化体験……しかも、日本らしいもの。
年越しそばに、温泉、こたつにみかん。
餅つき、初詣に、豆まき、双六……。
海外のお客様が喜びそうなものをノートへ書き出していく。
けれど、途中で手が止まった。
(綾人ならどう考えるんだろ……)
企画の責任者でもあり、ワタセホテルの後継者。
あたしの知らない顔ばかりだ。
知らない顔……?
(そうだ!推し活プランとかも面白そう)
推しのアクスタやぬいぐるみと一緒に、こたつで写真を撮ったり。
普段は見られない夜景と撮ったり。
ラグジュアリーな空間で推しと過ごす非日常体験は、素敵だと思う。
(いいっ!あたしもいち様と過ごしたいっ)
いろいろなシチュエーションを妄想していると、ふと綾人の顔がよぎる。
(これ、綾人には誰の案か絶対にバレる……)
(でも待って……意外と乗り気かも?)
この前のアイドルショップでのひと幕を思い出して笑いがこぼれる。
なんだか肩の力が抜けて、胸の奥が暖かくなった。
でも同時に、もやもやしたものが心を掠めていく。
(……どうしよう、今すごく綾人の淹れたミルクティーが飲みたい)
自販機のミルクティーで我慢しながら、ひたすら案を形にまとめていく。
気づけば定時を過ぎていた。
「藤原さん、今日は残業ですか?」
「ううん、帰る」
「珍しいですね」
「たまにはね」
取り纏めた資料を見返す。
四季折々の体験……あたしが担当するのは冬だけだけど、綾人はそれだけじゃない。
これに関わる全ての事柄が、彼に責任者としてのし掛かっている。
(綾人のこと……何も知らなかったんだなぁ……)
気づけば、また綾人のことを考えていた。
綾人の知らなかった一面を垣間見たからか。
それとも、最近会えてないからか。
マイナス思考に覆われる前に、あたしは急いで退勤準備に取りかかった。