WATCH.

 嫌な予感しかしない。途中何度か止まろうか考えながらも、ビル裏の中華屋へと入った。

「青椒肉絲定食と冷やし中華ひとつずつ」

 水を持ってきてくれた店員さんへわたしの注文も一緒にしてくれた。この男はこういうところがある。

「いま何分?」
「12時27分」

 腕時計へ視線を落として答えた。この角度が好きなんだよな、と改めて思う。
 その様子を見ていると、かちりと目が合う。

 好きなのは、それだけじゃない。

「なんでいつも時間聞いてくんの?」

 尋ねられて、すぐに答えが返せない。


< 17 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop