WATCH.

 いやいや、と手を引っ込めるのが遅く、腕をそのまま掴まれた。あれよあれよと腕時計がわたしの腕につけられた。

「意味がわからない」
「これで時間わかるだろ」

 佐野がわたしの腕を持ち上げる。勿論ステンレスベルトが緩くて、ぐるんと時計部分が下へと落ちた。

「わからないのは理由なんだけど」
「欲しいって言ってたから。与会が」
「そ」

 そんな理由でさらっとあげられるような時計なのか……?
 わたしは恐る恐る時計部分を戻して文字盤を見る。いや、普通に高いメーカーの時計だ。

< 24 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop