WATCH.
これと引き換えに何を差し出せと?
考えるだけで恐ろしくて、わたしは時計のバックルを外そうとする。
「あんまり言わないからさ。お前って、何がしたいとか、これが欲しいとか」
「言ってるよ、結構。寧ろ奢ってもらってばっかりで、悪いよ」
「じゃあこれは一日貸すわ。終わりに返して」
腕を離された。
全然分からない。佐野の考えていることが。
でもここで揉めるわけにもいかないので、式場へと進む。
「茅ヶ崎くん、数回しか話したことない」
「確かに秘書課ってあんまり交流ないな」
「箕輪さんと佐野は面識あるの?」