春は眩しくて、届かない

心の距離 りのんSide



次の日。


陽奈は学校を休んだ。



——陽奈が学校を休むなんて、いつぶりだろう。



いつも「皆勤賞狙う!」って笑いながら言っていたのに。


その陽奈がいない朝は、思っていたよりずっと静かだった。


教室のざわめきが遠く感じる。


窓際の席に目を向けても、そこは空のまま。


りのんは小さく息を吸って、気づけばスマホを手に取っていた。


画面を開く。


陽奈とのトーク画面。


少し迷ってから、メッセージを打つ。



『ひな、体調悪いの?大丈夫?』



送信。


既読は、つかない。


授業中も、何度もスマホを見てしまう。


いつもなら昼休みには返事が来ているのに、今日は何もない。



(珍しいな……)



そう思うほどに、胸の奥が少しだけ落ち着かない。


ただの風邪かもしれない。


そう思おうとしても、昨日の帰り道の陽奈が頭をよぎる。



「りのん、大好きだよ」



あの笑顔。


いつもと同じだったはずなのに。


なぜか少しだけ、遠かった気がした。


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