春は眩しくて、届かない
応援団長 陽奈Side
わたしは靴を履いて外に出る。
並んで歩き出すと、 朝の光が制服を白く照らした。
少し沈黙。
そのあと、わたしは大きく息を吸った。
「りのん!」
「え、なに」
びしっとりのんを指差す。
やけに真剣な顔。
「わたしは、りのんのこと誰よりも応援する!!!」
朝の住宅街に響くくらい大きな声だった。
りのんが目を丸くする。
「……は?」
「だから!!」
「柏木くんのこと!!!」
「声大きいって!」
慌ててりのんがわたしの腕を引く。
「りのん、私にいっぱい応援してくれたから」
風がふたりの髪を揺らす。
「だから今度は私が応援する番!」
りのんは知っているんだろうな。
その笑顔の奥に、 まだ痛みが残っていることを。
だからこそ、 胸の奥が少しだけ苦しくなる。