春は眩しくて、届かない
『りのんさ』
「……なに」
『前は“分かんない”って感じだったけど』
『今はもう、 柏木くんが特別な時の顔してる』
その言葉に、 りのんは静かになる。
好き。
その二文字を、 まだちゃんと口にしたことはない。
でも。
柏木くんから通知が来ると嬉しい。
隣にいると落ち着く。
笑ってくれると安心する。
苦しそうだと、 自分まで苦しくなる。
もっと話したいって思う。
もっと知りたいって思う。
そして。
今日、 “嬉しい”って言われた瞬間。
胸が、 泣きたくなるくらいあたたかかった。
布団をぎゅっと掴む。