春は眩しくて、届かない
キミの日常は私の日常じゃない
昼休みの終わり頃だった。
移動教室へ向かう途中、 校舎裏の前を通りかかったわたしは、ふと足を止める。
まただ。 少し開いたドアの向こう。 見覚えのある背中が見えた。
——柏木くん。
「……え、また呼び出し?」 思わず小さく呟く。
向かい側には、女の子が立っていた。 ふわふわ巻かれた髪に、小柄で守ってあげたくなるみたいな雰囲気。
制服のリボンも綺麗に整っていて、 “かわいい”って言葉がそのまま形になったみたいな子だった。