離縁したはずですが、元夫が再会後に溺愛してきます
「わ。大変、急がなくちゃ! 樹さん、来てくれてありがとう。慌ただしくてごめんなさい。私はこれで……」

荷物を掴み、車のドアに手をかける。急いで出ようとしたとき、背後から伸びた手がお腹にまわりぐっと後ろに引かれた。

「あっ」

背後の樹さんに背中からぶつかったと同時に、そのまますっぽりと背後から包まれる。もう片方の手が顎に添えられくいっと掬い上げられると、樹さんを見上げる体制になった。
視界に影がかかり、彼の顔が近づく。

「澪」

熱のこもった声に呼ばれ、驚いて開いたままだった口に、吐息が押し込められた。

「んっ……」

目を見開く。体の奥がドクンと弾けて、突然の温もりに切なさで胸が痛くなった。樹さんは優しく、でも深く重ねる。甘い唇。
角度を変え数度繰り返しただけで、思考がふわふわとした。

「愛してる。絶対に、もう一度俺を好きだと言わせてみせる」

その宣言に心を奪われ、また私の脳はくらくらとする。別れ際の、勝利を確信しているような余裕を含んだ笑みが脳裏に焼き付いた。
火照った体になんとか活をいれて、保育園へと急いだ。


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