離縁したはずですが、元夫が再会後に溺愛してきます
次の日、決められていたタスクを修正してもらったスケジュールよりも更に早く完遂させると、すぐに澪の元に向かった。
宮原とは空港で別れ、俺は回してもらっていた車を飛ばし急いだ。フライトも途中の道も順調で時間通りだ。伝えていた時間より少しだけ早く着きそうで、小まめに連絡をいれながら進んだ。
二十三時。
家の前へ着くと、いつもなら寝ている時間なのに家の明かりがついていた。周囲を見回してみるが、怪しい人影はいなそうだ。
電話をして玄関の施錠を外してもらうと、扉が開いた途端、澪が抱きついてきた。
「樹さん……!」
両親は今夜も引き続き、別旅館からの受け入れ客の対応で夜勤だそうだ。心細かっただろう。
「何もなかった?」
「うん……来てくれてありがとう」
心底ほっとした様子で、俺の胸に顔を埋める。こんな憔悴している姿をみたのは初めてだ。
やはり無理をしてでも来てよかった。
あれから、特に変わったことは起きていないとい聞いている。
その夜は、また三人で同じベッドで寝た。今度は澪が真ん中だ。少しでも安心できるようにと、背中からぎゅっと抱きしめて眠った。
翌朝、起きたら急に俺が現れていたので、柊が驚いていた。
柊にも簡単にではあるが、今回の事情を話した。
澪は子どもに話すようなことでもなく、心配をかけることはないと言っていたが、柊は話せば理解できる子だから予め知っておき何かあったら周りに助けを求めたり、逃げたりできるかもしれない。
なにより柊は澪をとても大切に思っている。幼いながらに周囲を良く見ている子で、それでいて勘が良い。普段から澪に心配をかけないように、澪が笑ってくれるようにと気遣い行動する節があった。
隠すより、柊も交えて協力体制をとったほうが得策だ。
俺も幾度となく、澪にとって〝いい人〟であるのか、見定めるような視線を感じたことがある。
――我が子ながらその立ち回りに将来大物になりそうな予感がし、楽しみでもあった。