離縁したはずですが、元夫が再会後に溺愛してきます
黙って身を引くことは強さではなかった。
あの時、もっと勇気をだしていたら樹さんにも柊にも寂しい思いをさせなかったかもしれないのに。

――もう間違えない。

箱にそっと手を添え、「はい」と静かに、でも確かな返事をする。

二度目の誓いは、過去ごと抱きしめるように朝の光の中で交わされた。

出された指輪は、よくよくみると以前のものと同じブランドだった。けれど、まったく同じデザインではなさそうだ。

「これって……」

「重ねてつけられるデザインにしたんだ。あの時の気持ちも大切にしたくて」

言われて、首元から最初にもらった指輪を外すと指に嵌めてみる。

「ありがとう。嬉しい……」

あの頃の気持ちも本物だった。けれど、ふたつ重なった光はとても強く、もっと深まったように思えた。

プレゼントをひとつひとつ開けていくと、アクセサリー、香水、マフラーなどいろいろなものがあった。
一番驚いたのは、離婚した年に準備してくれていたらしい時計だ。

(同じこと考えてたんだ)

じわりと心が熱くなる。
私も最初の結婚記念日に、腕時計を用意していた。

手放すことも、着けることも出来ずにずっとしまいっぱなしだけど、今度渡したら驚いてくれるかな。

その年の日付が刻印されており、あの時も、確かに私を愛してくれていたのだと教えてもらった気がしてうれしかった。
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