【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
悶々としていると、いつのまにか屋敷の正面玄関についたようで、車から降りるなり誰かに強く強く抱きしめられた。

もちろんそれは紫苑兄様で。

私はそのままお姫様抱っこされて、リビングルームのソファに座らされてしまった………

だけならどれほど良かったか。

今私は、ソファに座るお兄様の膝の上に乗っかっています。いや、乗っけられています。

5歳児じゃないんだから………

もう恥ずかしすぎて顔も上げられない。

降りようにも、お兄様が私のお腹にその腕を回してガッチリホールドしているし………

そんな私をみて、

「あはっあははっあはははっ。おまっ……赤ん坊かよ!」

なんて思いっきりバカにして大笑いしているのは珍しく屋敷に帰ってきていた玲央兄様。

いや、私を笑わないで下さい!!悪いのは紫苑兄様なんですから!



ふいに紫苑兄様の細長い指に顎を掴まれて、俯いていたはずの私の顔が無理やり紫苑兄様の方に向けられる。

そして、満面の笑みを浮かべた紫苑兄様の綺麗なお顔が近付いてきて……

唇に、柔らかいものが触れた。

もう物心つく前から紫苑兄様は会うたびに私の頬にキスを落としていたけれど唇のキスは初めてで……。

私のファーストキッスがこんなにもあっさりと奪われてしまった───


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